このごろ地震も頻繁に起こるようになって、東日本大震災や阪神淡路の地震や新潟中越地震など、最悪のシナリオがよぎって不安な日々を過ごしている方も多いと思います。こういう時だからこそ、できることはしておきたいと非常持ち出し袋、用意している世帯が増えてきています。
あなたはどのような非常持ち出し袋を用意しているでしょうか?市販のセットを購入したからとそのまま安心している方もチェックしながら、必要なものを準備してみませんか?
普段使わないからと非常袋が奥にしまってあるかもしれません。
非常持ち出し袋に必須な基本アイテムから、あると助かるアイテムまで、非常持ち出し袋を準備するポイントをまとめました。
非常持ち出し袋には何を入れる?
非常持ち出し袋は、大地震や、豪雨被害など避難するときに、避難所に安全に到着するために必要な道具や水、食料、そして避難所に到着してからの最低限の必需品(3日分)を最小限にまとめた袋。
不安であれもこれもと詰め込みすぎはNG!
1番大事なのは「命」なので、非常持ち出し袋が重くて逃げられないとなっては困るからです。
非常持ち出し袋というと、あの銀色のリュックを思い浮かべますが、普通の大きめのリュックでOKです。
できれば、燃えにくい素材のものが◎
性別、家族構成や年齢によっても必要なものが異なりますから、市販の必要なものがセットになった非常持ち出し袋を持っている人も、きちんと中身を確認し、必要なものは買い足して入れておいてくださいね。
そして、準備できたら、試しに一度背負ってみて重さを確かめてくださいね。
できれば、非常持ち出し袋は、一人にひとつずつ用意するのがオススメです。
【非常持ち出し袋】基本の10+1アイテム
【最低限必要な基本の10アイテム】
- LEDライト
- 非常食
- 水
- 手回し充電ラジオ
- ヘルメット・ホイッスル
- 非常用ブランケット
- 衛生・救急セット
- 常備薬
- 筆記具・小銭
- 携帯トイレ
- プラス1 はマスク
これに、自分や家族に必要なものを足していくのがGOOD!
普段、コンタクトレンズを使用している人は、使用していないメガネや、使い捨てタイプのコンタクトレンズのスペアを入れておきましょう。
【LEDライト】
両手が空くヘッドライトタイプのものや、首から下げられるタイプがオススメ。
避難時や、外のトイレで用を足すとき、手に持つタイプだと不便です。
【非常食】
非常食は、カロリーが高くて持ち運びやすいもの、そして避難所では周囲に配慮しにおいが少ないものがよいです。
非常食といえば「乾パン」を思い浮かべる人が多いと思いますが、乾パンは水分を必要とするため食べにくいです。
飴やチョコレート、バランス栄養食品、エネルギーゼリー飲料などがオススメです。
【水】
生きるうえで1日も欠かすことができないのが水。そのため避難物資として最初に届くのも水ですが、物資が届くといわれている3日目までの最低2日分は自分で用意しておく必要があります。
理想をいえば、1日に2~3リットルは欲しいところですが、それを背負って避難するのは難しいため、500ミリリットル×3本を用意。大事に飲んでギリギリのラインです。
そのうち1本は、脱水症状対策にイオン飲料がよいでしょう。水と違いカロリーもとることができます。
【手回し充電式ラジオ】
情報収集に必要なラジオ。
ライトと、携帯電話の充電、防犯サイレン機能が付いているものがオススメ。
【ヘルメット・ホイッスル】
ワンタッチでヘルメットに変身する「防災用折りたたみヘルメット」が場所もとらず◎
お子さんは、自転車用のヘルメットでも代用できますね。
高音で大きな音が出る防災ホイッスルは、救援をよぶのに有効です。
LEDライト付きのものもあり、普段から持っておくと防犯対策にもなります。
かさばるものでもないですし、キーホルダーになっているものもあるので、ひとりひとつずつ持っていると安心です
【非常用ブランケット】
非常用ブランケットは、体温を保持するために必要です。
どの季節であっても雨に濡れて体温を奪われると危険ですから、リュックを背負ったまま着ることができるレインコートやポンチョもあるとよいです。
特にポンチョは、トイレや着替えの際に目隠しとしても役立ちます。
【救急・衛生セット】
マスクは、感染症を防ぐだけではなく、スッピンも隠せるので重宝します。
ホコリなどから喉を守るマスクは、防塵マスクの方がより安全。
そのほか、消毒液、絆創膏、包帯、綿棒など応急手当をするためのもの。
ウェットティッシュ、消毒用アルコールジェル、大判のウェットシート、ペーパー歯みがきは、水を使えないときに役立ちます。
【常備薬】
普段は健康が取り柄だという人でも、災害時はストレスで体調を崩しやすいです。
鎮痛剤、胃薬、整腸剤、風邪薬など準備しておくと安心です。
【筆記用具・小銭】
携帯電話が使えないとき、頼りになるのは「公衆電話」。公衆電話は緊急時には回線が優先されるというメリットもあります。
電話番号が、携帯電話のアドレス帳に登録してあっても、バッテリー切れでは電話帳も開けません。
家族の電話番号は、手帳にも控えておきましょう。
また、メモや伝言に欠かせないのが筆記具です。
ペンは雨など水に濡れても消えない油性ペンを用意しましょう。
【携帯トイレ袋】
災害の時に最も心配なのがトイレ問題。
空腹は我慢できても、排泄は我慢できないからです。
凝固剤がセットになった市販の携帯トイレ袋を用意しておきましょう。
水に溶けるティッシュやトイレットペーパーも必要です。
女性は生理用ナプキン、おりものシートなども。
【マスク】
コロナで避難所に行った際にも必要なのが使い捨てのマスクです。
充分な量を準備しておきましょう。
【非常持ち出し袋】乳幼児がいる場合
小さい子どもがいると、荷物が多くなりますね。
抱っこしたり、手も繋がないといけませんから、リュックに、斜めがけバックで対応しましょう。
最低限必要な基本の10アイテムにプラスしてくださいね。
- 紙おむつ・おしりふき
- ミルクセット・お茶の紙パック飲料
- ベビーフード・お菓子
- 着替え
- おくるみ・ブランケット(大判のバスタオル)
- タオル・ガーゼハンカチ
- おもちゃ(音の出ないもの)
- 母子手帳と保険証
【紙おむつ・おしりふき】
オムツ離れをした子でも、災害時は赤ちゃん返りしたり、トイレ環境が変わることで、トイレでできなくなってしまう子もいるので、オムツは念のため用意しておくとよいです。
おしりふきは意外に万能です。
ウェットティッシュ代わりにもなりますし、女性のデリケートゾーンを拭くこともできます。
余裕があれば追加したいもの
非常持ち出し袋にまだ余裕がありそうなら、次のようなアイテムを追加してはいかがでしょうか。
【保護用グローブ・踏み抜き防止用中敷き】
手や足の怪我は、逃げるときだけでなく、その後の生活にも支障が出てしまいます。
災害時は足元が悪く、釘やガラスなどで怪我をする可能性が高いので、保護用の手袋と、靴の中に敷く中敷きがあると便利です。
綿の軍手でもないよりはましですが、ゴム製の作業用軍手や革製の方がオススメです。
【ラップ・ポリ袋】
食事の時にお皿に敷いて汚れ防止に、怪我の止血、防寒にと役立ちます。
ポリ袋があれば、ポリ袋調理が可能になりますし、手袋やスリッパの代わりにもなります。
大きなゴミ袋は、穴を開けてポンチョのようにかぶれば防寒に、また簡易トイレを作ったり、水も運べます。
【大判のストール・風呂敷】
はおるだけでなく、巻いたり、ひざ掛けにしたり、着替えの目隠しにしたりと大活躍します。
水をはじく超撥水風呂敷は、端を結べばなんと水を運ぶことができます。
【タオル】
暑くても寒くても、何枚あって困らないのがタオルです。
【ワセリン】
避難所生活では、乾燥で手や唇、お肌がガサガサになってしまうのだそうです。
ワセリンは全身に使用できるため、ひとつあれば、リップにもハンドクリームにもなります。
赤ちゃんにも使用できますよ。
【汗拭きシート】
災害時、何日も入浴できない場合、みな同じ環境だとはいえ、べたつきやニオイが気になり、ストレスになってしまいます。
体を拭くことを前提に作られているので拭き心地も良く、ほんのりと香るのでリラックス効果も。
【 帽子・バンダナ】
頭を保護できるほか、熱中症対策、防寒対策にも。
洗髪できない日々が続くと、髪の毛がべたついてしまい、衛生的にも見た目的にも気になりストレスになります。
水を使わないシャンプーがあれば少しはスッキリしますが、帽子やバンダナはそんなストレスも軽減してくれます。
髪の長い人は、ヘアゴムも用意しておくといいでしょう。
【うがい薬・喉スプレー】
不特定多数の人が集まる避難所では、感染症にかかりやすくなります。
栄養不足やストレスで免疫力も下がってくるので、喉の殺菌が重要。
水が貴重になる避難所生活では、水を使用しないうがい薬・喉スプレーは使いやすいですし、うがい薬は、口臭も除去できます。
【アイマスク・耳栓】
避難所では、しっかり眠ることもままなりませんが、少しでも体を休めることができるよう自分で対策をすることも必要です。
貴重品はすぐに持ち出せるようにまとめておく
健康保険証・お薬手帳・持病の薬・貯金通帳・印鑑・現金・キャッシュカードなどの貴重品は、防水ケース(ジップロックなどの密閉袋)にまとめて入れておき、いざという時にすぐに持ち出せるようにしておきます。
寝る時には、近くに、スマホ・バッテリー、メガネ、懐中電灯、足を保護するための履き物を用意しておき、夜中の災害にも備えましょう。
職場にもプチ非常袋を。
家にしっかり非常持ち出し袋を用意していても安心はできません。
災害は、家にいるときに起こるとは限らないからです。
通勤中・職場で被災した時のことも考えておくべきです。
【普段のバッグにちょい足し】
持ち物を増やしたくない人も多いと思いますが、普段から、飲み物とちょっとした甘い物(飴など)、ウェットティッシュ、生理用品(おりものシート)くらいは、バッグに入れて持ち歩きましょう。
キーホルダータイプのLEDライトや、ホイッスルをカバンに付けておいてもいいですね。
職場には、ひととおりの防災セットは揃っていますが、次のようなアイテムを置いておくと便利です。
【スニーカー・靴下】
特に、スカート・パンプスで通勤&仕事をしている女性は、ロッカーに動きやすいボトムス、スニーカーと靴下を置いておきましょう。
会社から自宅へ、会社から避難所への移動に、スカートとパンプスでは危険だからです。
【ストール】
東日本大震災の時には、季節外れの雪が降りましたよね。
長袖の羽織り物や、ストールが欲しかったと聞きました。
大判のストールは、はおるだけでなく、首や腰に巻いたり、ひざ掛けにしたり、着替えの目隠しにしたりと大活躍します。
オフィスでも使えますから、置いておくと便利です。
【紙の地図】
交通機関がマヒし、歩いて帰宅しなければならない状況になったとき、頼りになるのが「地図」です。
もしもの時は、スマホの地図を見ればいいや・・・と考えている人が多いと思いますが、スマホが壊れてしまう可能性もありますし、非常時は、スマホのバッテリーは連絡用にとっておいた方がいいので、紙の地図も用意しておきましょう。
震災時の帰宅支援を目的とした地図も売られており、災害時に必要な情報が書き込まれているので役立つと思います。
まとめ
意外に多いのが、使わないからと奥にしまい込み、いざという時に、取り出せないパターン。
非常用持ち出し袋を置いておくオススメの場所は、避難するときに必ず通ることになる玄関や、寝室の枕元。
目に付く場所に置いておくことで、非常食の賞味期限が切れた~なんて失敗もなくなると思います。