「インフルエンザも風邪の一種」と親に教えられ、症状が軽いのが「風邪」で、症状が重く長引くのが「インフルエンザ」だと、子どもの頃はずっと勘違いしていました。
インフルエンザと風邪の違い、意外と正しく答えられないですよね。
インフルエンザと風邪の違いと特徴
流行時期が違う
風邪は、1年を通してみられますが、インフルエンザは例年11月下旬頃から流行し、流行のピークは1~2月ですが、3月頃までみられます。
原因となるウイルスが違う
インフルエンザが、ウイルス感染によって起こることは有名ですよね。
実は風邪も、ウイルス感染によって起こります。
- インフルエンザ・・・インフルエンザウイルス(A型、B型、C型)
- 風邪・・・アデノウイルス、コロナウイルス、ライノウイルスなど
インフルエンザも風邪も、ウイルス性の病気という点では同じなんですね。
インフルエンザウイルスの特徴
インフルエンザウイルスは、潜伏期間が短く、感染力が強いのが特徴で、A型、B型、C型に分類されます。
- A型・・・症状が重く、流行を繰り返すたびにウイルスが変異するので、大流行を引き起こしやすい
- B型・・・A型のように、大流行を引き起こすことは少なく、下痢やお腹の痛みを訴える人が多いのが特徴
- C型・・・一度感染すると免疫がずっと持続するため、感染するのは子どもがほとんどで、発症しても風邪のように軽く済むことが多い
感染経路が違う
- インフルエンザ・・・飛沫感染
- 風邪・・・接触感染
インフルエンザ
「接触感染」でもうつりますが、主な感染経路は「飛沫感染」です。
インフルエンザにかかった人の咳やくしゃみはもちろん、会話だけでも、ウイルスが空気中に飛散し、それを吸うことで容易に感染してしまうため、感染が拡大しやすいのです。
風邪
「接触感染」でうつることが多いです。
接触感染とは、ウイルスが付着したものに触れ、その手で目、鼻、口などを触ったことで、粘膜からウイルスが侵入して感染するケースです。
症状と進行が違う
- インフルエンザの症状・・・全身症状
- 風邪の症状・・・上気道症状
インフルエンザ
ちょっと身体がだるいかな?寒気がするなと感じてから急激に症状が進みます。
38度以上の高熱が2~3日続き、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。
普通の風邪と同じように、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みといった症状もみられます。
子どもでは、稀に脳炎(インフルエンザ脳炎)を発症したり、高齢者では気管支炎や肺炎を伴うなど、重症化して生命に危険が及ぶこともあります。
風邪
鼻水、くしゃみ、鼻づまり、喉の痛みなど上気道症状が主です。
その後、発熱しても軽度(37~38度)であることが多く、経過も緩やかなのが特徴です。
症状が軽い=風邪とは限らない
同じインフルエンザでも、軽く済んでしまう人と症状が重い人がいますよね。
家族内で次々にインフルエンザに倒れても、本当に違います。
インフルエンザというと、高熱というイメージがあるので、熱が高くないしこれは風邪だろう・・・と自己判断して普段通りの生活を送ってしまいがちですが、実は高熱が出ないインフルエンザもあるのです。
インフルエンザB型に感染した場合、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器系の症状は見られるものの、高熱が出ないこともあります。
症状が軽くても、インフルエンザウイルスは排出しているので、気づかぬうちに自分がインフルエンザウイルスをばらまく感染源になってしまう可能性もあります。
インフルエンザの流行時期は、風邪かなと思っても軽いインフルエンザである可能性もあるので、人混みを避けたり、マスクをするなど人にうつさないよう配慮することも大切です。
まとめ
周りを見ても、予防のためにマスクを付けている人の方が多く、咳やくしゃみをしている人に限ってマスクや咳エチケットをしていないという光景をよく見ます。
インフルエンザ予防や対策には関心があっても、自分がインフルエンザの感染源になってしまう可能性があるということは、あまり注目されていないように思います。
本格的にインフルエンザの症状がでる潜伏期からウイルスを排出していることや、人にうつさないということにも、もっとスポットを当てて欲しいなと思ったりもします。