夏といえば「お祭り」。
日本各地で、古来から続く伝統的なお祭りや、地域色豊かなお祭りが行われますよね。
その中でも特に、三大祭りと呼ばれるお祭りは、日本人なら一度は見ておきたいですよね。
三大祭りは、地域や内容によって様々な組み合わせがありますが、今回は日本三大祭りを詳しく紹介します。
日本三大祭りとは?
日本三大祭りというと、こちらの3つがあげられることが多いです。
- 祇園祭(京都・八坂神社)
- 天神祭(大阪・大阪天満宮)
- 神田祭(東京・神田明神)
祇園祭
京都の八坂神社で行われる祇園祭は、京都の夏の風物詩。
祇園祭というと「山鉾巡行」のことだと思っている人も多いと思いますが、実は、7月1日から1か月間、様々な行事が続く長いお祭りです。
祇園祭は、日本三大祭りだけでなく、京都三大祭りや、日本三大曳山祭りのひとつにもあげられており、日本を代表するお祭りといえます。
【起源】
863年(平安時代)に疫病が流行した際に、疫病退散を願って行った「御霊会」がはじまりといわれています。
【最大のみどころ】
祇園祭の最大のみどころが、「動く美術館」ともよばれ、重要有形民俗文化財にも指定されている「山鉾巡行」です。
様々な装飾が施された23基の山鉾が市街中心部を巡行します。
交差点などで、10トンを超える山鉾が、青竹と水を使用して方向転換をする「辻回し」は大迫力で、巡行中の大きな見せ場となっています。
終了すると、山鉾はすぐに解体・収納されます。
もったいない気がしますが、街中を巡行することで集めた厄を留めないようにするためだそうです。
天神祭
全国、日本各地の天満宮で行われる祭りを「天神祭」とよんでいますが、その中で最も有名なのが、大阪天満宮で行われる天神祭です。
祭神である菅原道真の命日にちなみ、6月下旬から7月25日までの1か月間にわたり行われます。
大阪天満宮で行われる天神祭は、日本三大祭りだけでなく、四天王寺支院の愛染まつり、住吉大社の住吉祭とともに、大阪三大夏祭りのひとつでもあります。
【起源】
951年、大川から神鉾(かみほこ)を流し、流れついた場所で「禊」を行ったことが始まりといわれています。
【最大のみどころ】
天神祭の最大のみどころは、7月24日の宵宮祭、25日の本宮祭の2日間。
宵宮祭では、天神祭の起源とされ、祭りの開幕を告げる厳かな神事「鉾流神事 (ほこながししんじ)」が行われます。
25日の本宮の夜は、大川(旧淀川)に100隻もの船が行列をつくって行き交う船渡御(ふなとぎょ)が行われます。
この時、水上祭として神楽や囃子が行われるほか、約5,000発の奉納花火が打ちあげられるため、火と水の祭典ともよばれています。
神田祭
神田祭は東京の神田明神で行われるお祭りです。
神田祭には、奇数の年に行われる「本祭(ほんまつり)」と、偶数の年に行われる「蔭祭(かげまつり)」がありますが、一般に神田祭というと賑やかな本祭を指します。
神田祭は、日枝神社で行われる「山王祭」、富岡八幡宮で行われる「深川祭」とともに、江戸三大祭のひとつともされています。
【起源】
1600年、徳川家康が会津征伐・関ヶ原の戦いの際に先勝祈願を行ったのが神田明神です。
勝利をおさめ天下統一をなしとげた家康は、立派な社殿や神輿を寄進し、徳川家縁起の祭として盛大に行われるようになったのがはじまりです。
そのため、別名「天下祭」ともよばれています。
当初は徳川家康が天下統一をした旧暦の9月15日に行われ、山車が出る祭りでしたが、現在は5月の中旬に行われ、戦災や関東大震災により焼失した山車にかわって町御輿がメインとなっています。
【最大のみどころ】
神田祭の最大のみどころは、神幸祭(しんこうさい)です。
神幸祭は、平安時代の衣装をまとった500人ほどの行列が、神田明神を出発し、秋葉原や丸の内などを練り歩きます。
神幸祭の翌日には、神輿宮入(みこしみやいり)という行事が行われます。
神田明神周辺の町から、100基もの神輿が出され、地域を巡回し神田明神へと向かいます。
ちなみに、蔭祭の年には、神幸祭と神輿宮入は行われません。
まとめ
日本三大祭りを紹介しました。
特に、祇園祭・天神祭は、一千年の歴史がある伝統行事。
お祭りというと、非日常的で楽しいという気持ちが勝ってしまいますが、本来の感謝、祈り、神仏や祖先をまつる行為であることも忘れないようにしたいなと感じました。