夏至を過ぎると本格的な夏が始まるとされていますよね。
農家では田植えに忙しくなる時期です。
夏至は、一年の中で最も太陽高度が高くなる日=一年の中で最も昼の時間(日の出から日没まで)が長くなる日で、冬至の日と比べると、東京では約4時間40分も昼の時間が長くなるんですよ。
二十四節気の10番目である夏至と、夏至の風習についてまとめました。
二十四節気とは?
1年間を4分割したのが「四季」ですが、さらに細かく、節目となる日で1年を24分割したものが「二十四節気」です。
元は中国から伝わってきたもので、それぞれの季節・時期を表した呼び名が付いています。
現代では、二十四節気を意識して生活している人は少なくなりましたが、昔は農作業の目安として大変重宝されていました。
二十四節気すべてを紹介!
- 立春(りっしゅん)・・・暦の上での春
- 雨水(うすい)・・・雪が雨に変わり雪が溶け出す時期
- 啓蟄(けいちつ)・・・冬眠していた虫たちが活動を始める頃
- 春分(しゅんぶん)・・・昼と夜の長さがほぼ同じになる日。お彼岸
- 清明(せいめい)・・・春の息吹を感じられる頃
- 穀雨(こくう)・・・春の柔らかな雨で農作物がうるおうという意味
- 立夏(りっか)・・・暦の上での夏
- 小満(しょうまん)・・・陽気がよくなり草木が成長して茂る頃
- 芒種(ぼうしゅ)・・・芒=イネ科植物の穂先。稲などの種をまく頃
- 夏至(げし)・・・1年で最も昼が長い日
- 小暑(しょうしょ)・・・梅雨明けも近くなり暑さが増していく頃
- 大暑(たいしょ)・・・夏の暑さが本格的になる頃
- 立秋(りっしゅう)・・・暦の上での秋
- 処暑(しょしょ)・・・暑さがおさまる頃
- 白露(はくろ)・・・秋が深まり草花に朝露がつきはじめる頃
- 秋分(しゅうぶん)・・・昼夜の長さがほぼ同じになる日。秋彼岸
- 寒露(かんろ)・・・草木に冷たい露が降りる頃
- 霜降(そうこう)・・・早朝に霜が降りはじめる頃
- 立冬(りっとう)・・・暦の上での冬
- 小雪(しょうせつ)・・・山には初雪が舞い始める頃
- 大雪(たいせつ)・・・本格的な冬の到来。平地にも雪が降る頃
- 冬至(とうじ)・・・1年で最も夜が長い日
- 小寒(しょうかん)・・・寒の入り。寒さが厳しくなる頃
- 大寒(だいかん)・・・寒さが最も厳しい頃。
夏至の日には何をするの?
北欧、スウェーデンやフィンランドでは、夏至は国民の祝日で、毎年賑やかで盛大な「夏至祭」が行われています。
日本では、夏至の反対の節目にあたる「冬至」には、ゆず湯に入ってカボチャを食べ、厄除けや無病息災を願う習慣が有名ですが、夏至の風習ってあまり聞かないような気がしませんか?
冬至のようにメジャーではないものの、地域によって様々な習慣が今も残っているそうです。
日本に残る夏至の風習
【二見興玉神社の夏至祭】
三重県伊勢市にある二見興玉(ふたみおきたま)神社では、「夏至祭」が行われています。
有名な「夫婦岩」のある神社です。
お祭りというよりは、禊(みそぎ)の行事にあたり、一年の中で、最も太陽のエネルギーがあふれる夏至の日に、海水に浸かって夫婦岩のちょうど真ん中から昇る朝日を浴び身体を清めるというものです。
【関西地方】
関西では「タコ」を食べる風習が残っています。
稲がタコの足のように根を張ることを祈願したのが由来です。
【近畿・関東地方】
近畿や関東の一部では、小麦ともち米を混ぜて作る半夏生餅(小麦餅)を、田の神様にお供えする風習が残っている地域があります。
半夏生餅(小麦餅)の、半夏生(はんげしょう)とは、農作業の目安とされた暦のうちのひとつ(雑節)で、夏至から11日目のこと。
田植えは夏至の後、半夏生までに終わらせるものとされていて、その時期にちょうど収穫を迎える小麦を使ったお餅をお供えして、田植えが無事に済んだことに感謝し、お米の収穫を祈願したのが由来です。
ちなみに、雑節には「節分」「彼岸」「社日」「八十八夜」「入梅」「土用」「二百十日」「二百二十日」があります。
【沖縄地方】
沖縄地方では、この頃に吹く季節風を「夏至南風」とよんでいます。
この風が吹くと、梅雨が明けて本格的な夏が訪れるとされています。
まとめ
2019年の夏至は、6月22日(土)です。
毎年、6月22日というわけではなく、太陽と地球の位置関係により、年によって数日前後します。
ただ、梅雨の真っ只中ということもあり、日照時間は冬よりも短いことが多いんですよ。