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三途の川の「三途」ってどういう意味?

三途の川を知らない人はいないと思いますが、この世とあの世の境を流れている川のことです。

言い伝えであるとされている三途の川ですが、九死に一生を得た人から
「綺麗な花畑や川を見た」
「対岸で亡くなった人が手を振っていた」
「川を渡ってはいけないと言われて引き返した」
などという信じがたいような不思議な体験談を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

三途の川とはいったいどういうところなのでしょう。

「三途の川」の「三途」ってどういう意味?

三途の川とは、この世とあの世の境を流れている川のことですが、なんと川幅は400kmもある大河です。

三途の川を渡ってしまったら最後、もうこちらの世には戻ってくることはできないと言われています。

三途の川という名称の由来は、次の二つの説が有力です。

【説その1】仏教における六道の考えから。

「三途」とは、仏教の六道のうち、悪い行いをしてきた死者が生まれかわる三つの道「地獄道」「餓鬼道」「畜生道」のことを意味しているという説です。

「地獄道」「餓鬼道」「畜生道」は、三悪道とよばれ、苦しみの世界とされています。

  • 地獄道・・・自殺者や殺人者が落とされる地獄(別名:奈落)。血の池や針山など合計136種の地獄があり、逃げることはできません。
  • 餓鬼道・・・欲深く富や権力に執着した者の末路です。食べ物や飲み物を口にするとそれが火に変わり体中を焼くため、飢えと渇きに苦しみ続けます。
  • 畜生道・・・本能や欲望のままに生きてきた者の末路です。その品性の低さにあった動物に生まれ変わります。

【説その2】川の渡り方が三通りあることから。

三途の川の渡り方は三通りあり、生前の行いによって渡る場所が決まっているといわれています。

  • 善人・・・三途の川の中流にかかっている宝石でできた橋を渡ることができる。
  • 罪の少ない人・・・膝下くらいの深さの、三途の川の上流(清水瀬)を渡る。
  • 罪人・・・大きな岩も流れてくる三途の川の下流(強深瀬)を渡る。

罪人が渡ることになる三途の川の下流は激流で、流れは矢を射るように速く、波は山のように高く、川底には大蛇が待ち受けます。
水面から顔を出せば、鬼に矢で射抜かれ、川を流れてくる大岩で体が粉々になっても、すぐに体が修復されるため、この怖ろしい大河を泳ぎ続けなければならないのです。

三途の川にたどり着くまで

人は死んでから7日後に三途の川にたどり着くといわれています。

死出の山

まず死者の前に立ちはだかるのは「死出の山」と呼ばれる険しい山です。
家族の声やお経に励まされながら登りきり、見下ろすと曼珠沙華の美しい花畑が広がっています。

山を降りると見えてくるのが「三途の川」です。

賽の河原の石積み

三途の川の河原は「賽の河原」と呼ばれ、親よりも先に死んだ子ども達が、罪を償うために小石を積み続けています。

親より先に死ぬことは大罪であり、石を積んで塔を完成させることでその子の罪も許されるのですが、完成間近になると鬼が壊しに来るので、また最初からやり直しになってしまうのです。

このことから「賽の河原」という言葉は、際限のない無駄な努力のたとえとして使われることもあります

最終的には、地蔵菩薩が現われて子ども達を救いあの世に導いてくれます。

三途の川を渡るのにお金が必要?

室町時代以降になると、三途の川には渡し船があり、六文の渡し賃を払えば、生前の行いに関係なく渡し船で川を渡れると考えられるようになりました。

そのため、死者に六文銭を握らせたり、六文銭を棺に入れてから埋葬する習慣ができたそうです。

「文」は江戸時代の通貨で今は存在していないため、六文銭を印刷した紙を葬儀屋さんが必ず入れてくれます。

六文は、現代のお金に換算すると300円程度だと言われています。

まとめ

臨死体験をした人の三途の川の体験談は興味深いですよね。
三途の川への行き方を教えてくれるガイドさんに会った!なんて話を聞いた時は、驚きました。

三途の川を見たという人はいても、渡った体験をしたことがある人はもちろんいないので、三途の川を渡ったその先のことは誰にもわかりませんが・・・

三途の川を渡った先には、大樹があり、大樹の下には、衣服を剥ぎ取る「奪衣婆」と衣服を大樹の枝にかけて罪の重さをはかる「懸衣翁」がいて、その後7日ごとに閻魔大王による裁きを受けるそうです。