「6月」というと、ジューンブライド(June bride)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ジューンブライドとは、June=6月、Bride=花嫁、新婦、説明するまでもありませんが「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という言い伝えのこと。
その由来・起源を調べてみました。
ジューンブライドの由来
ジューンブライドの起源は、ヨーロッパです。
そして、その由来には3つの説があります。
由来1【神話を起源とする説】
最も有力なのが、ギリシャ神話・ローマ神話を起源とする説です。
ジューンブライドは、ギリシャ神話に登場する全能神「ゼウス」の妻である「ヘラ」と関係があります。
「ヘラ」というと、嫉妬深く、ゼウスの愛人の子である「ヘラクレス」を迫害し続けた悪役というイメージが強いのですが、実は、結婚・出産を司り、既婚女性を守る女神です。
ギリシャ神話の「ヘラ」は、ローマ神話では、ユノ(JUNO)と呼ばれています。
この「JUNO」が、6月を表す「June」の起源になったといわれています。
古代ローマでは、ユノを祀る祭礼が6月1日に行われていたことから、6月に結婚をすると女神の加護を受けて幸せに暮らせるといわれるようになったのだそうです。
【ギリシャ神話とローマ神話】
ギリシャ神話とローマ神話は、登場する神々の名前は違うのに、大まかな内容はほぼ同じなので、不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。
実は物語のオリジナルは「ギリシャ神話」です。
ローマにもローマ神話が存在していましたが、ギリシャ神話がローマに伝わり語り継がれていく中で、人気のあったギリシャ神話の物語をそのままに、神々の名前だけがローマ神話の神の名前に置き換えられていったといわれています。
由来2【結婚解禁月だったからという説】
かつてヨーロッパでは、農作業の妨げとなることから3月~5月の結婚が禁じられていました。
そのため、結婚が解禁となる6月に結婚式を挙げるカップルが多くなりました。
あちらこちらで結婚式が行われ、国が祝福ムードに包まれる6月。
こうしたことから、6月に結婚する花嫁は幸せになれるだろうと考えられたのかもしれませんね。
由来3【気候が良いからという説】
ヨーロッパの「6月」は、花が咲き始める時期、1年の中で最も雨が少なく、気候も安定しているため、祭事が多い季節です。
「復活祭」が行われる月でもあり、ヨーロッパ全体がお祝いムード。
その相乗効果で結婚式も盛り上がる傾向にあるため、6月に結婚する花嫁は幸せになれるだろうと考えられたようです。
日本にジューンブライドの風習が入ってきたのは?
日本の6月というと、季候の良いヨーロッパとは正反対で、梅雨の時期ですから、結婚式にはあまり向かないように思うのですが、なぜこれほどまでに広まったのでしょうか。
ジューンブライドが広まる以前は、梅雨時期に加え、今と違い空調設備の能力も低かったということもあり、6月の挙式は避ける傾向にあり、結婚式場やホテルはどこも閑散としたものでした。
きっかけは企業戦略
日本で、ジューンブライドが広まり始めたのが1967年頃。
結婚式場やホテル業界が、6月の売り上げ向上を狙って、「6月の花嫁は幸せになれる」というヨーロッパのジューンブライドを広めたのがきっかけといわれています。
そうして、ジューンブライドのロマンチックな言い伝えにあやかりたいと、6月に結婚式を挙げるカップルが増えたんですね。
ジューンブライドにオススメの花は?
6月のシンボルフラワー「紫陽花」
6月を代表する「紫陽花」は、結婚式でも人気の高い花です。
小さな小花が集まっている姿から「家族団らん」という花言葉を持ちます。
幸せのジンクス「サムシングブルー」にちなんで、青色の紫陽花もオススメです。
女神「ユノ」を象徴する花「ユリ」
結婚・出産を司る女神ユノを象徴する花は「ユリ」です。
「ユリの女王」であるカサブランカはとても華やかで、花嫁のブーケ、ヘッドドレス、贈呈用の花束などに使用されるなど、結婚式でも人気の花です。
「雄大な愛」という花言葉を持ちます。
まとめ
現在は、空調設備も整っているし、ジューンブライドだし、6月の結婚式はさぞ人気が高いのかといえば、実はそうでもないとのこと。
祝日もなく日程調整がしづらいことも関係があるのかもしれませんね。